行事・アナウンス
ICT企業リーダによるリレー講座 2011年度第2回開催
SCSK(株) 専務執行役員 油谷泉氏
2011年11月22日(火)びわこ・くさつキャンパス コラーニングハウスIにおいて,情報コミュニケーション学科主催「ICT企業リーダーによるリレー講座」の今年度2回目の講義が行われた。
今回はSCSK株式会社の専務執行役員、油谷泉氏に「クラウドが開くIT産業の未来」という題目でご講義頂いた。
まず、世界の中の日本とIT産業に関してご説明頂いた。近年までアメリカに次いでいたIT産業界が2010年に中国に抜かれていること、GDPに関しても今や一人あたりの計算では15年前の3位から大きく順位を下げて2桁順位まで落ち込んでいることなどを示され、近年のアジアの成長が注意すべきものになっているとの考えを述べられた。その上で、日本は旧来までの要素技術のみでは他国に抜かれる懸念を持たなければいけないと述べられた。
次に、技術の変遷について、メインフレームから現在のクラウドコンピューティングまでを、その分類及び典型的な利用例を上げながら説明された。IaaS、PaaS、SaaSなど、現在のトレンドになっている用語の解説を交えながら、日本のIT企業が置かれている立場からSaaSが日本企業の主戦場であり、学生がいま注目すべきサービスであると話された。現在、日本のクラウド市場は海外と比べて必ずしも大きくはなく、これから発展していくものであるとの考えを示された。
油谷氏が考える世界の企業の方向性として、氏は「オープン、クローズ」「ライフ、ワーク」の2軸の概念を挙げ、「オープンでライフ寄り」の展開をしたい大手企業がとても多くなっていると解説なされた。YahooやGoogle、facebookやtwitterの成功を取り上げ、APIの積極的公開や社会基盤になりうるサービスの提案などが成功の鍵であることに言及しながらも、一方で日本企業が未だクローズ・ワーク側である受注ソフトウェアを売上の柱にしていることが日本の成長の妨げであると解説を頂いた。
最後に、油谷氏はSCSKの求める人材像を述べられ、これから就職活動をする学生に大しての激励の言葉で締められた。