行事・アナウンス
ICT企業リーダによるリレー講座 2013年度第3回開催
株式会社トヨタIT開発センター 代表取締役会長 井上 友二 氏
2013年11月22日(金)びわこ・くさつキャンパス クリエーションコアにおいて、 情報コミュニケーション学科主催、「ICT企業リーダによるリレー講座」の今年3回目の講義が行われた。今回は株式会社トヨタIT開発センター代表取締役会長 井上友二氏に「日本の再生は諸君の肩に- 業際&マルチカルチャー・イノベーション」という題目でご講演いただいた。
まず始めに、「IT業界は10年ごとに変革がある」という内容でお話された。1980年代から現代までのIT業界の技術や市場の変化の流れを説明され、例として、現在の市場では、振興・途上国において品質は悪いが価格が日本に比べ1/10のものが10倍もの量で流通していることが挙げられていた。
また現在の問題として、キャリアに取って代わりつつあるサービスであるOTTについてもお話された。今まではキャリアが繋いでいた通信をOTTと呼ばれる他サービスの台頭により、キャリア会社にとってトラフィックは上がるが収入は上がらない、といった問題が無視できない規模になってきていることが説明された。
次に、これから考えられる次世代の車システムについてのお話があった。Web2.0をもじった「Auto2.0」というテーマを掲げ、車の次世代的な活用方法の模索についての説明がなされた。車はほとんどの時間使われずに駐車されているので、この使用されていない間にも何かに活用できないかということで、例えば町の防犯に役立てることや、また移動するセンサーとして利用するなど、車を新しい社会インフラとして考えることについてお話された。
最後の話題として、これから求められる新しいパラダイムについてお話された。世界をグローバルという単一の枠組みで捉えるのではなく、マルチカルチュアルな考えが必要であると仰っておられた。また世界の食糧事情を例に、増え続ける人口に対処するために6次産業化する必要性を説かれた。また6次産業化するにはICTが必須であり、そこから新興国でのビジネスモデルのお話を最後に講義が締められた。