行事・アナウンス
ICT企業リーダによるリレー講座 2014年度第3回開催
新日鉄住金ソリューション株式会社 執行役員 技術本部副本部長 南 悦郎 氏
2014年11月28日(金)びわこ・くさつキャンパス クリエーションコアにおいて、 情報コミュニケーション学科主催、「ICT企業リーダによるリレー講座」の今年3回目の講義が行われた。今回は新日鉄住金ソリューションズ株式会社 技術本部技術戦略企画部 南悦朗氏に「サービスドミナントな時代のシステムインテグレーション」という題目でご講演いただいた。
まず講義の始めとしてご自身の経歴や会社の紹介をされ、そこからITビジネスや技術トレンドなどについてお話された。技術に関しては、この25年間でのテクノロジの進化について説明され、何が大きく変化しこれからどう動く可能性があるのかを見極めることが大事だとされた。またビジネスに関しては、企業活動そのものをデジタル化することで、ビジネスをより高度化する動きがあるとご説明された。
次にシステムインテグレータについてお話された。システムインテグレータとはどのような職種なのか、どうあるべきかについてお話され、目指すべきは「顧客の課題を、ITを活用して、解決する」ことだとおっしゃった。またこの職種の特徴として、一般のイメージに反してシステムよりも人と接する機会のほうがずっと多く、コミュニケーションの大切さについても言われていた。
さらにお話の中で、知的作業をコンピュータにどのようにさせるかについてもご説明された。ここでいう知的作業とは判断、診断、分析など高度な知識と経験を要する作業のことであり、人とコンピュータとでどのように役割分担していくべきかのお話であった。システムが高度化し、人でしかできなかった作業もコンピュータでどんどん行うことができるようになってきているが、まだまだ人が優れている部分も多く、両者を上手く使い分けることが重要であるとされた。
最後にサービスドミナントという概念についてお話された。これはモノだけを買う時代から、モノとサービスを一体化した価値そのものを買う時代へと移ってきていることを表す言葉である。今までは企業からの価値提供の時代であったが、これからは企業とユーザ双方の価値共創の時代であるとおっしゃられた。システムインテグレータもモノだけでなくサービスの提供を重視し、ニーズに応えていく必要性、しかしだからこそ多様な選択肢があるために意思決定が難しいこと。これらを踏まえて時代に合ったサービス提供が大事であるとされ、講義を締められた。